転職が普通の時代がやってきた!
現代の日本は、転職するひとが当たり前のようになりましたが、私が子供の頃は、転職者というのはマイナスのイメージがありました。
というのも、敗北者のイメージがあったのです。
私も会社を辞めたときは、少なからずそういう気分になったものです。
戦後の高度経済成長期は、企業がドンドン業績を伸ばして行けたので、多少不景気になっても人材を確保するのに躍起でした。
というのも、多少売り上げが落ちても、人材を手放してしまうと次のチャンスに業績を上げられないと考えられていたからです。
ですからよほどのことがない限り、企業は年々賃金を上げ、そして雇用調整は最小限に抑えてきました。
その結果、年功序列型賃金と、終身雇用的な仕組みが広がっていったわけです。
しかしながら、バブルの崩壊以降、急速に状況は変わってきました。
戦前からずっと雇用調整をかたくなにしなかった松下電器なども、退職者を募るというような時代になってきました。
企業側は終身雇用の考え方を捨て去って、必要なときに必要なだけの社員を雇用するという、効率を追求する経営に変わりつつあります。
これは実は、戦前にはよくあったやり方ですし、アメリカなどでは、クビを言い渡されたら、1時間以内に会社から退去しないといけないようなこともあるようです。
日本では、アメリカの企業みたいな極端なことはやらないでしょうが、しかし企業が必要としない人材に対しては、積極的に雇用調整を行うでしょう。
つまりたとえ自分が現在働いている会社で定年まで働きたいと思っても、会社をとりまく環境によっては、そういうわけにもいかなくなってしまったのです。
このような状況下ですから、我々は、会社に依存しない暮らしを心がけねばなりません。
企業特殊な技術を持っていても、社会的にはあまり役に立ちませんので、社会的に必要とされる技術を身に付けて、人材としての価値を保ち続けていかなければいけなくなっているのです。
変な話、いつでも転職できるようなスキルを持った人が、仕事のできる人間だというように、社会の評価が変わってきたんですね。